FXの複利運用は本当に必要?EA・自動売買でロットを増やす前に確認したいこと
投資リスクについて
投資は自己責任であり、過去の成績は将来の利益を保証しません。本記事は投資助言ではありません。売買の判断は各自の責任において行ってください。
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FXの資金管理には、利益をそのまま使う「単利」と、利益を元本に加えて次の取引量を増やす「複利」という考え方があります。
複利運用はバックテストの右肩上がりのグラフと相性がよく、とても魅力的に見えます。しかしFX・EA(自動売買)の複利は、利益と同時に1トレードのロットと損失額も大きくしていく運用方法です。この記事では、ロットを増やす前に確認しておきたいリスクと資金管理を整理します。
スマホでは関数電卓アプリ(例:関数電卓 Panecal)でも計算できます。
複利運用とは何か
複利とは、得た利益を再投資し、次の取引量を増やしていく考え方です。FXに当てはめると、複利はおおむね「ロットを上げ続けること」とほぼ同じ意味になります。 利益を再投資してロットが上がれば、勝ったときの金額は増えます。ただし同じ仕組みで、負けたときの損失額も同じだけ大きくなります。複利は「利益を伸ばす魔法」ではなく、利益と損失の両方を同時に拡大する運用方法だと考えておくと安全です。 下のグラフは、一定の利回りを仮定したときの単利と複利の差をイメージしたものです。後半ほど金額(=ロット)が急に膨らみますが、この曲線は損失方向にも同じ形で働く点に注意してください。あくまで計算上のイメージで、将来の利益を示すものではありません。
FXやEAで複利運用が危険になりやすい理由
EA(自動売買)で複利があまり向かないと言われるのは、次のような理由からです。連敗時の損失額が大きくなる
複利でロットを上げたあとに連敗が来ると、1回ごとの損失額が以前より大きくなります。特にナンピン型・マーチンゲール型のEAは、ロットが上がったタイミングで相場が変わると、それまでの利益を一度に失う可能性があります。最大ドローダウンが金額ベースで増える
複利でロットが増えると、最大ドローダウンは割合が同じでも金額が大きくなります。「%」では耐えられそうに見えても、「金額」で見ると想定外に大きいことがあります。バックテストの右肩上がりを過信しやすい
複利のバックテストは終盤が急角度で伸びるため、実力以上に強く見えます。バックテスト結果の読み方やカーブフィッティングの視点を持たないと、過去の一部期間にだけ最適化された成績を「複利で増える証拠」と誤解しがちです。ロット増加後に相場が変わると戻しにくい
ロットを上げた直後にEAの不得意な相場が来ると、増やしたロットのまま損失を抱えることになり、元の水準へ戻すのが難しくなります。 なお、FXの失敗を描いた読み物としてFX戦士くるみちゃんから学べる損失・レバレッジの怖さも、複利でロットを上げる前に一度目を通しておく価値があります。
引用:FX戦士くるみちゃん
固定ロットと複利ロットの違い
固定ロットは、毎回のロットが一定なので損益の振れ幅が読みやすいのが特徴です。一方の複利ロットは、資金が増えるほど利益も損失も拡大していきます。 例)ロット0.1で動かしていたEAを、資金が倍になったからとロット0.2へ上げたとします。このとき1トレードの利益が約2倍になる一方で、1回の損失額やドローダウンも約2倍になります。利益だけが増えるわけではない、という点が複利ロットの本質です。 初心者はまず固定ロットでEAを動かし、勝率の見方や連敗の癖など、そのEAの性格を把握することをおすすめします。複利バックテストを見るときの注意点
複利前提のバックテストを見るときは、最終利益だけで判断しないことが大切です。- 最終利益ではなく最大ドローダウンを金額と割合の両方で確認する
- プロフィットファクターや取引回数、連敗・停滞期間を見る
- フォワードテストとの差を確認し、過去最適化されていないかを見る
- 一部の好調な期間だけで全体を判断しない
EAで複利運用を考える前のチェックリスト
複利でロットを上げる前に、最低限つぎの点を決めておきましょう。- 想定される最大ドローダウンを、金額で許容できるか
- ロットの上限を決めているか
- 何%のドローダウンで運用を停止するかを決めているか
- 複数EAを同時に動かしたときの合計リスクを見ているか
- VPS停止やスプレッド拡大など、想定外の状況のリスクを考えているか
複利より先に決めたい資金管理
複利の利回りを考えるよりも先に、つぎのような資金管理のルールを決めておくほうが安全です。- 1回の取引で許容する損失額
- 月単位での停止ライン
- EAごとのロット配分
- 追加資金を入れない前提で運用する
- 生活資金と運用資金を分けておく
(参考)複利の計算方法
複利の数字そのものは、つぎの式で計算できます。あくまで計算上の話であり、将来の利益を保証するものではありません。
b=a(1+r)n
a は元金,r は利率,n は期間,b は n 期間経過時の金額
元金が2倍になる期間の目安は「72の法則」(72 ÷ 利率)でおおまかに把握できます。なお、利率が高いほど計算上の数字は大きくなりますが、相場でその利率を継続できる保証はありません。
パソコンの関数電卓ではべき乗計算ができます。


まとめ
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