Scal_USDJPYの評判といえば高勝率EA(シストレ)
Scal_USDJPYといえば、gogojungleで常時ランクインするEAの一つです。2017年から運用が開始され、2018年は常時ベスト10に入っていました。
人気EA開発者のねこ博士のEAで、代表作は、Scal_JPYUSD、粉雪、Pips_miner_EA、EA_Blizzardとなります。
勝率はかなり高く、gogojungleで掲載されているフォワードテストで97.14%です。(2019/1時点)
これだけ、高勝率なEA、運用していれば必ず結果が出ると思いますよね?実際のところどうでしょうか。
そうなんです。実は管理人のアルパカFXはこれだけ高勝率にも関わらず、このEAの設定を変更したりロットを変更したりで失敗をしているのです。
それでは、何が原因だったか、そして、実際どう運用していったらよいのかを検証してみましょう。
Scal_USDJPY
高勝率ゆえに見落としがちなドローダウンと保有時間
まず、高勝率という言葉だけに目を当てると、響きはとても良いのですが、これは、同時に引き換えないといけないものがあります。
それは、
- ドローダウン
- ポジション保有時間
です。それぞれ見てみましょう。
Scal_USDJPYの初期設定はドローダウン200pips
初期設定は、ドローダウン200pipsとなります。もちろん設定で変更可能ですので、100pipsや50pipsにすることも可能です。
それぞれ、ねこ博士の方からバックテストの結果も出ていますので参照されてはいかがでしょうか。
問題なのは、ドローダウンが200pipsということは、一度エントリー中に逆行してしまうと、ポジションを抱えたままになるということです。
私自身も、10日間ポジションを抱えたままということがままありました。(途中から週末決済を入れたため、最大でも5日となりました)
ポジションを抱えたままだと資金効率が悪い
ポジションをずっと抱えたままだと何が起こるでしょうか。一つは、他でトレードできるはずの資金が拘束された状態になってしまうということです。
これは、特にEAを運用される方に多い意見ですが、できるだけエントリーチャンスを増やして、トータルで結果を出していくことが難しくなります。
スイング的な運用概念でしたらよいのですが、Scal_USDJPYが狙う利益はたったの10pipsのため、スキャルピングで運用する方がどうしても多くなってしまいます。
このポジション保有時間を理解して運用することが必要になります。これは、勝ち負け(引き分け)に関係なく、相場に依存します。朝起きたら2トレード勝利で終わることもあれば、1週間たっても利益が伸びるどころか、含み損を抱えることもあります。
ドローダウンが大きいため精神的にしんどい
想像していただくとわかるのですが、ドローダウン200pipsはなかなか精神的に良くなく、0.1ロット運用で2万円、1ロット運用だと20万円のマイナスです。
これを-200pipsまでじわりじわりと、詰め寄られるのは、なかなかしんどいです。(経験者としては、しんどかったです。ですね。)
twitterでも、ポジションが逆行すると、「ネコマジック」、「猫神」等の言葉で、ポジションが戻ってくることをお祈りする風景が見られます。
しかし、これらを含めても、やはりこのEAには大きな魅力があります。
ロットを下げたサブEAとしての運用設定
運用スタイルとしては、上記のとおり、ポジションの逆行による長期保有、最大200pipsというドローダウンとしっかりと向き合った運用が必要になります。
間違っても、「10連勝したから次はロット上げるか?」等とは考えてはいけません。
その次のトレードでドローダウンこそ発生しないものの、大きく逆行且つ2ポジション保有といった、twitter同様、ネコマジックにお祈りをするような羽目になります。
また、逆行からの保有時間の長さもあるため、できるだけ資金比重をこのEAにかけず、サブとして運用されるのがよいかと考えられます。
月トータルで基本勝ち続けるEAですので、波の激しいEAとポートフォリオを組むのがよいでしょう。
高勝率を利用したハイレバ複利運用設定
この運用方法は、通常の運用方法とは異なりますのでご注意下さい。
その方法とは、複利ハイレバ運用です。
海外口座になくなってもいい10万円をいれて、ドボンしたら0円になる前提。100万円ぐらいまで増えたら引き落としてまた1から始めます。
勝率が非常に高いことを利用して、負けるまで増やしていく方法です。しかし、バックテスト、フォワードテストを見てわかるように、いずれ大きくやられるため、負ける前提で運用する必要があります。
Scal_USDJPYのフォワードテスト(リアル検証)
フォワードテストを見ていただくと、2回大きなドローダウン(DD)が発生しています。
1回目は2018/3月に発生しました。これは、当時大きな話題となり、また、上記でさんざん記載してきたようなトレードスタイル(勝率がよいことから途中でハイレバ運用)を行った方々が相場から退場をしたしました。(※トレードスタイルはあくまでトレーダーの自己責任です)
既にこのDDに対する対策は修正バージョンにて対応済みとのことです。
2回目は2018/12月に発生しました。ねこ博士のブログにもあるのですが、2回目はゴゴジャンがわのサーバー設定にも問題があったようです。
このSLは、本来のEAの動作とはちょっと違うSLでして、
なぜか、「-100pipsほどでの早期クローズ」が発動せずに、
「最大のSL(-200pips)」となってしまった模様です。おそらく、サーバーとの接続の影響や、スプレッドフィルターの数値との関係などで、
ポジションがうまく決済されなかったことが原因ではないかな、
と思いますが、だからといって、ポジションをなかったことにするわけにはいきませんので、
フォワードはフォワードとして、受け入れるしかないと考えています。
いずれにしても、こちらは想定通りのドローダウンは発生したようです。
Scal_USDJPYのバックテスト
上記のバックテストはドローダウン100pipsに設定したものです。右肩上がりなことがわかりますが、注意していただきたいのは期間です。
2005年から2017年の12年間での運用となりますので、細分化していくと、一定期間積み上げてきたものをドローダウンで帳消しにされていることがわかります。
何度も、書いていますが、逆行に伴い長期保有するケースとドローダウンは必ずいつか発生する可能性があることを念頭に置いたロット調整を行ってください。
トレード数を増やすboostパラメーター設定
こちらは補足です。
Scal_USDJPYのトレード頻度はそれほど大きくなく、週1-2回ぐらいとなります。(1週間エントリーがないこともよくあります。)
そのため、エントリー回数を上げたい方のために、boost設定が用意されています。
ねこ博士から提供されている各パラメーターは以下の通りです。
パラメータ | 標準 | 設定値 |
---|---|---|
boost1 | 0 | 6 |
boost2 | 0 | -4 |
boost3 | 0 | -2 |
パラメーター設定は変更した方がいいの?
パラメーターの変更は、あくまでもトレーダー各自にゆだねられています。
上記のboostに変更すると、結果的に取引回数が増えることから収益性が上がります。(何度も書いていますが、逆行するケースもトレード回数が増えるため、増えます。)
ゴゴジャンのフォワードテストはパラメーター設定をしていないので、もし、同様にしたいのであれば変更せずに運用してみてはいかがでしょうか。(使用するFX証券会社によっても差異は発生します。)
Scal_USDJPY取扱サイト
Scal_USDJPYの取扱はGogojungle(ゴゴジャン、fx-on)のみとなります。
取扱サイト | 公式 | 取扱可否 |
Gogojungle(ゴゴジャン、fx-on) | 公式サイト | ○ |
テラス(Teracce) | 公式サイト | ー |
まとめ Scal_USDJPYはトレーダーの腕の見せ所
ここまで、色々書いてきましたが、このEAの特性上、特に初心者の方にとっては、魔法のようなEAに見えるはずです。なぜなら負けないから。
それゆえに、途中で運用スタイルを変えると、相場から一発退場などということも大いにあり得ます。
また、既にEAを運用されている方にとっては、ポートフォリオに加えると月間の利益率が安定するかと思います。ただし、メインEAにすると、逆行中の際に資金が拘束されることが度々あるためサブEAにする等注意が必要です。
トレーダーを試すようなEAです。初心者の方は、絶対に途中で設定を変えないこと。複利運用をする等、徐々に慣れていくようにしてください。
Scal_USDJPY