FXの情報収集を始めると、必ず出てくるのがNYオプションカット(ニューヨークオプションカット)。
このオプションカットとは一体何でしょうか?もし、NYオプションカットに傾向があると分かればFXでも有利になりそうなキーワードです。
今回はこのNYオプションカット(ニューヨークオプションカット)について考えてみましょう。
でも、いつも理解できなくて・・。分かるようになったらFX勝てるの!?
ファンダメンタルを中心に取り扱うトレーダーにとっては結構重要視していることが多いです。
NYオプションカットに向けて、相場が荒れる傾向が度々あるんだよね。
これで勝てるかどうかはおいておいて、この付近ではどうするほうが良いかという傾向はわかりそうだよ。
オプションカットとは?わかりやすく解説
オプションカットとは「通貨オプション」の権利行使時間
カットオフタイムとも呼ばれ、「通貨オプション」の権利行使を行なうための締め切り時間を指します。
特によく聞くのは「NY(ニューヨーク)オプションカット」です。NY市場の通貨オプションのカットオフタイムのことですね。
NYオプションカットは日本時間24時が締め切りになります。(夏時間だと23時)
なお、東京オプションカットももちろん存在します。しかし、取引量では圧倒的にNY市場の方が大きいため、NYオプションカットの方がニュースで取り上げらます。
以下の図はTRADER’S WEBのオーダー状況です。表を見ると例えば111.50円に「OP28日NYカット」と書かれています。
画像引用元:Trader’s web
通貨オプションとは?
オプションカットは、「通貨オプション」の権利行使を行なうための締め切り時間と先ほど述べましたが、では、「通貨オプション」とは何でしょう。
「通貨オプション」とは、予め決められた期間や期日に、決まった価格で買う(売る)権利を売買する取引のことです。買う権利のことを「コール」、売る権利のことを「プット」と呼びます。
先程の表で言うと、111.50円に「OP28日NYカット」というのは、28日の24:00に、
- ドルコールなら111.50円で買うことができる権利
- ドルプットなら111.50円で売ることができる権利
ができることを指します。
NYオプションカットの傾向がFXトレードに重要な理由
NYオプションカットに何故かレートが引き寄せられる傾向が度々あります。
そのため、相場分析情報を読むと、良くこのNYオプションカットが取り上げられることがあるのです。
ここでは、何故、NYオプションカットにレートが引き寄せられるかを考えてみます。
オプションの権利行使の攻防が発生する
通貨オプションというのは、誰かがオプションを提供する側と利用する側がいます。
一般的には、輸出や輸入を行っている大手企業が取引の為替レートを、安定させたい(もちろん利ざやでも儲けたい)ために、オプションを利用します。
オプションを購入するには、高額な手数料も必要になるため、必然的に大企業が大口で利用することになります。
例えば、ドル円が110.00円だとした場合、109.50円でコールオプション(買いのオプション)を持っていたとします。
この値段のまま、NYオプションカットになった時、権利を行使したいでしょうか?
もちろん権利行使しますよね?
なぜなら、109.50円で権利行使すれば、0.5円分安く買えることになるからです。
これ、当然権利を行使した側から見ると得なのですが、権利行使された側(このオプションを提供した側)から見るとどうでしょうか?
そうです。権利行使された側は損してるんです。
そのため、提供側は、権利行使させないように、109.50円より下回るレートに持っていこうとするのです。
その結果、NYオプションカットにレートがよりやすくなるということです。
購入者は権利行使をするために防衛する
先程の例を続けます。
> ドル円が110.00円だとした場合、109.50円でコールオプション(買いのオプション)を持っていた
この場合、権利を購入した側は、NYオプションカットまで何もしないでしょうか?
いいえ、通常はこの権利を行使するためにどんどん円を売って円安にします。
もちろん、110円であれば既に0.5円の差益が出ていますので、円安にすることはないかもしれません。
しかし、売った側は阻止するために109.50円より円高にしようと円を買っていきます。
これを防ぐために円を売るのです。「防衛売り」と呼ばれたりします。
オプション・バリアー(オプション・トリガー)を巡る攻防
オプションには、一定の条件になったら、オプショション自体が発生・消滅する価格があります。「オプション・バリアー(または、オプショントリガー)」と呼びます。
先程の、
> ドル円が110.00円だとした場合、109.50円でコールオプション(買いのオプション)を持っていた
実は、例えば「111.00円になると109.50円で買うオプション自体が消滅する」という条件があったりします。
このオプション・バリアーを巡る攻防もあるため、相場は荒れやすくなるのです。
NYオプションカット後はポジションを手放す
この攻防時のポジションですがNYオプションカットが終了すると、オプションの注文が消滅するため(権利行使したorしなかった)、防衛のためのポジションを手放します。
つまり、円を買います。(買戻し)
この買戻しの行為によって、相場が動きますし、これを狙った形で下がったところから円を再度売る投資家が参入してくるのです。
- NYオプションカットの時間になるにつれオプション価格に近づく
- NYオプションカットまで方向感がなくなり、NYオプションカット後に方向性が出てくる
- NYオプションカット前後に、ポジション調整のため、相場が荒れる
ややこしすぎるんですけど・・・。
これで初心者がトレードでするのは無理ですね。
そうですね。
オプションについては、実需だけでなく投機家も入りますし、仕組みが複雑なのでオプションの情報だけを元にトレードするのは危険です。
むしろ、トレードを控えるという選択肢を取ることが重要です。
NYオプションカットの情報でトレードができるか?
正直なところ、難しいと言えます。
なぜなら、レートは必ずオプション価格に向かうわけではないためです。
先程のポイントにも書きましたが、NYオプションカット前後では売り買いが活発になり、相場が動きやすい(ボラティリティが高い)状態になりやすいです。
安易にポジションを取らず、方向性がでるまで様子を見ることで損失を回避しやすくなります。
FX会社を選ぶなら売買比率が見れるDMM.com証券
オプションカット近辺では、売りたい人と買いたい人が交錯します。
前述の通り、そのプライスを守るための攻防が発生するわけです。では、その攻防が発生するかどうかがわかると便利ではないでしょうか。
DMM.com証券の売買比率であれば、スマホでも閲覧できることが可能です。
これがあれば、直近の値段に対して、買いたい人が多ければ、そのレートは上に抜ける可能性が高いことがわかりますね。
世界中のトレーダーのポジションまではわかりませんが、DMM.com証券は国内最大のFX会社ということもあり、この売買比率は比較的的を得た者となっています。
NYオプションカットを始めとした重要な値段付近で是非活用してみてください!