FX自動売買(EA)ツールのデメリット
EAにおけるデメリットは、幾つかあります。今回はその中でも代表的な3つを取り上げながら考察していきます。当然、デメリットがあればメリットもあります。
この辺りも、裁量トレードや投資と比較しながら、実際どうなの?というところまで掘り下げてみます。
FX自動売買(EA)ツールのデメリット①.どの自動売買(EA)を選んだら良いか分からない
どの自動売買(EA)が結果を出すかわからない
最大のデメリットがまさにこれです。EAを少しでも調べたことのある方ならその多さに迷うでしょう。
gogojungleにある有料の国内EAだけでも1000件以上あり、無料のものも含めたらそれこそ無限大にあります。
また、最近ではLINEに登録したり、口座をひらくともらえるEAなどもあります。
少し慣れてくると、よく聞くEAの名前というのも出てくるのですが、それですら勝てずに年間終わっていくものも数知れず。
そんな中、どのEAが良いのかは、トレーダーに取っての一番の悩みの種でしょう。
巷にあふれる自動売買(EA)詐欺と評判
今に始まったことではないですが、最近特に目立つのがLINEに誘導して自作ソフトに登録させる系です。
全てが悪いわけではないのですが、口座登録を相手側を通して行ったアカウントにEAを乗せると、手数料が常に相手に行く仕組みとなります。
手数料は、1トレードあたりとなるため、できるだけ多い回数のトレードをさせることで、儲けようという仕組みです。
フォワードテスト?バックテスト?
EAを選ぶ際に、フォワードテストとバックテストの見方がわからない方も多くいます。
フォワードテストとバックテストの見方は後日掲載しますが、正直パット見て上昇しているから「買い!」はやめたほうが良いです。
そもそも、バックテストでお金の増えないものは売りませんから。
バックテストで見るポイント
バックテストで気にしたほうが良いのは以下のとおりです。
- 期間(最低でも10年以上か。30年レベルで検証してあるととても安心)
- 勝率
- 1トレード辺りの最大損失
- PF(プロフィットファクター)
- 平均勝ちトレードと負けトレードの比率
それぞれ、バックテストの表で見ることができるので、確認をしてみて下さい。特に10年未満のバックテストだと、年間通してトレンド方向のチャートに対して検証している可能性があるため、月足レベルでの方向転換の際に勝てない可能性が上がります。
フォワードテストで見るポイント
- 期間
- 含み損の期間
- 運用証券会社
フォワードテストでは、2,3年間の運用がされているものが良いでしょう。
もしあなたが裁量トレードを理解しているのでしたら、20年分のバックテスト、数年間のフォワードテスト、月足のチャートを比較して、月足がまだ同じ方向に進みそうなら購入を検討しても良いかもしれません。
運用証券会社は、通常時はスプレッドの点から考慮する必要があります。スキャルピング系のEAの場合、TP(テイクプロフィット)が10pips未満の場合もあり、スプレッドが広い会社だと、毎回赤字になってしまうことも考えられます。
また、年間通して、大きな損失が出ていないかもポイントになります。サーバーのメンテや約定のズレ等で、予想外の動きをしていないかチェックが必要になります。
そもそもEAを買わないと始まらない
EAは高額なものだと10万円以上するものもあります。それにも関わらず意外と勝てないことも、しばしば。
無料EAはテストやフォワードが公開されていなかったり、そもそも運用している人がいなかったりとこれまた悩みのタネ。
最近では、無料で有料EAを使えるIBサービスも出てきました。 ただしこれは日本のFX口座では利用できないケースが多いです。
一番いいのは、IBとかでデモや少額運用で自分の環境がフォワードに近い結果になるかを確認からだけど日本のFX口座では利用が難しいんだよね。
2020年になってゴゴジャンが月額制の導入を検討しているみたいなのでそちらが正解かもね!
FX自動売買(EA)ツールのデメリット②.実際のEAの運用が難しい
EAを手に入れたは良いものの使い方が分からない
私もトレードの勉強のために、MT4が必要って言われたけど、それ自分でできなかった。今でも使い方がわからなくて良く相談します。
ゴゴジャンって説明動画でやってませんでした?
各EAの公式サイトに使い方や設定は必ず記載があります。EAを販売する側も、実はこの点にかなり気を使っていますので、まずは、説明書や動画を見ながら使ってみてはいかがでしょうか。
このサイトでも、使い方動画を作ってみたいと思います。
運用開始にあたって調整するパラメーターって?
EAないわって最初思ったのが、このパラメーター。何がなんだかさっぱりわからない。プログラムみたいに見えて頭が働かなくなるんですよね。
ゴゴジャンって説明動画でやってませんでした?
パラメーターの設定は、システムの運用に対して、大きなインパクトをもたらします。
実は、使い方がわからないと言う方のほうが正解かもしれません。ゴゴジャン等、フォワードテストを載せているEAの多くは、パラメーター設定を触っていません。
ですから、原則的には、同一証券会社で購入時そのまま設定したものが、フォワードと同じ結果になるはずです。
国内証券会社の場合、入れているロット、デモ、サーバー等でも微妙に差異がでてきますが、パラメータの設定は、EAが安定しだしてから(EAについて理解が深まってきてから)、変更してみるのが良いでしょう。
FXで生活するぞ!と思いきや運用初日にドローダウン!
これ、実はアルパカFXの実話です。私のほうが勧めた側ではなく、勧められた側という残念な話も付け加えてですが。
上り調子のEAを買ってみたものの、動かしてみたらとたんに負ける。
デモでしばらく運用して結果が良かったのに、本番で運用してみたらとたんに負ける。
こういった事は、度々あります。twitterなどでも、良く聞こえてきます。実際のところどうでしょうか。
トレードには相場の波があり、トレンドやレンジといった各環境にEAは柔軟に対応していきます。しかし、どうしてもどちらかに優れたEAになりやすいため、相場が変わってしまえば、負けが続くこともしばしばあります。
このサイトでいつも言っていることですが、運用時は、バックテストにある1トレードあたりの最大損失とドローダウンを意識しながらロット調整をして下さい。
例えその月負けることがあっても、優秀なEAであれば年間を通してトータルでプラスに導いてくれます。
月間の利益がマイナスってどうなの?
EAは、月単位で見ると、勝てない可能性があります。それだけ、全ての相場に対応できるEAというのは少ないのです。
AIがトレードをする時代
既に、AIを使ったトレードは始まっています。日本ですとAlpaca(私と同じ名前!)という会社がAIを使った分析を提供しています。
しかし、LINE配信等で出てくるような怪しいAIのEAは使わないほうが良いかもしれません。AIというのは、魅惑的な言葉ですが、その多くは、たとえ大手企業であっても、ただの機械ロジックであることが多いのです。
複数EAを運用する方法が分からない
イメージ的には間違っていません。100万円入れれば、1万円ですね。1万円や10万円の少額からのスタートですと、どうしても地味な感じになってしまいますが、確実に運用を年間通して続けることが可能です。
もし、あなたが10万円から始めて、一回のトレードの損失を1000円までと聞いたら少ないと感じますでしょうか。
損失が1000円って事は、利益も1000円から2000円しか取れないってこと?
そう感じるかもしれません。
仮に、損失1000円、利益1000円、勝率70%の場合、1日2トレードのEAがあった場合、利益は28,000円となります。
そう考えると、決して少なくないことがわかるのではないでしょうか。(仮にこういう素直なEAがあった場合の話ですが。)
もし、最大損失を10000円等としてしまうと、10回負けると(証拠金の関係上、それ以上に早く)トレードができなくなってしまい、将来得られるはずのお金すら入らないことになってしまいます。
是非、ロットには気をつけて運用していきましょう。
VPS?自動売買ソフトってmacでそもそも動かないの?
VPSはEAを動かす上で、必須になってくる話題です。使用料が2000円弱必要なこともあり、EAの欠点でもあるのですが、やはり普段使うPCの中で動かすのは再起動や、移動時等、オフラインになることも多々あるため、注意が必要になります。
FX自動売買(EA)ツールのデメリット③.含み損を抱えたときのメンタル崩壊
朝起きたら信じられない含み損
さて、トレードあるあるな会話ではありますが、どうしたら良いのでしょうか。
EA開発者でもあり、トレーダーでもある方は、EAは1週間見ないのがいい。とおっしゃいます。理由は、EAのトレードは逆行も含めてロジックであり、1トレードごとに一喜一憂するものではないからと、おっしゃっています。
つまり、EAのエントリーからイグジットまで、ずっと追っかけているのは健全ではないとおっしゃっています。
慣れるうちは苦労するかもしれませんが、EAを信じて週末のレポートを期待しましょう。
指標発表に見事捕まって帰ってこないEA
メンタル崩壊で一番多いのが、この指標発表や、大物政治家や要人の発言によるチャートの大幅な上下。
今日は指標発表があるから、EAを落とそうと思っていても、直前にエントリーしてしまったので、そのまま放置していたら、発表でとんでもないマイナス方向に。最大損失の大きいEAの場合、そのまま含み損を抱えたまま数日を過ごすなんてことはよくあります。
裁量トレードであれば、エントリーするのは自分ですから、そもそもエントリーしなかったはずです。これが、EAの難しいところのひとつなのです。
対応するために一番良いのは、一トレードあたりの損切り幅が狭いEAを選ぶことです。バックテストとフォワードテストを見ていただくことでそれが可能となります。
マイナス分を取り返すためにロットを変更
これは、EAだけの問題ではないですね。FXを始めとした投資全てにおいて同じことが言えるかと思います。
EAの場合は、自動で行いますから、信じて触らない。これがまずは鉄則になります。
EAを信じられずストップ
3連敗した場合、あなたはそのEAに対して何を思うでしょうか。
こんなに負けるんだから、自動売買ツールとして失格だ!と思われる方もいるかも知れません。
しかし、システムが行うトレードは、一定のロジックに従ってしまう以上は、連敗は起こりうるものです。
裁量トレードであれば、3連敗したら、次の日は休み等、気持ちをリフレッシュさせられますが、EAの場合は、その間も動き続けます。
もし、ロットが大きいのであれば、ロットの調整は検討しても良いですが、基本的には年間での結果を意識して運用を続けるのが良いでしょう。(これは、一番最初の方に上げた、バックテスト20年、フォワード2,3年、月足のトレンド方向が期間内で同じまたはもうらいしている場合に限ります。)
年間通しての結果に後悔
twitterではトレーダー各位が年間の収支報告を発表しています。あなたは、そんなとき、どんな気持ちになるでしょうか。途中成績が悪かったシステムを止めて、良かった?または、やはり、最終的には損益を全て取り返したことに対して、後悔しますか?
これは、自動売買に限ったことではないですが、相場は、流れがわかりやすいときもあれば、悪いときもあります。
年末年始のような、相場が荒れるとき、指標発表は別ですが、基本的には運用を年間通して続けていく必要があります。
自動売買ツールの欠点はこう活かす!
継続的な学習と検証
継続的な学習とは具体的に何を意味しているでしょうか。一番必要なことは、何にお金を投資しているかを理解することにあります。
自動売買が動く市場は、FX市場となります。このFXについて、まずは理解してみてはいかがでしょうか。もちろんEAを少額ロットで動かしながらでも構いません。なぜ、いきなり相場が動くのか、EAがうまく動かない日があるのか徐々に理解ができてくるでしょう。
メンタルを崩壊させないロット調整
こちらも何度か説明していますが、心理的におかしくなるのは、ドローダウンが発生したタイミングです。
勝っているときも、おそらくスマホのトレード履歴をチラチラ見て、ニヤニヤしていることでしょうが、これも実は良くない習慣。
負け始めると、その際もずっとチラチラ目で追ってしまいます。
最大の原因は、心理的に耐えられないロットでトレードを行っている点にあります。メンタルの本等、自己学習のために読むことも良いのですが、まずは、スマホで見ない、エントリーのアラートを飛ばさない等、極力離れることが重要です。
EA開発者で運用されている方は、数週間放置していることもあるそうです。投資信託に預けたつもりで、適宜見るようにしましょう。
また、数回連続で負けたからと言って、相場がEAにあっているかどうかの判断は難しいです。週次、月次での運用を通して、変更するか、作者に一度相談してみるのも良いでしょう。
無料EAを使った運用からの購入
自動売買ソフトは、有料販売のみの時代は終わりを迎えようとしています。これからは無料で運用できる時代となっていくでしょう。
つまり、複数のEAの検証や実際に運用してみることが可能となります。
EAは購入金額が高いという、デメリットがなくなったことを生かしてポートフォリオの組み立てをしていくことも良いでしょう。
もちろん、好きな証券会社で運用できる買い切り型も平行して運用して見て下さい。
自動売買を上手に使う方法のまとめ
いかがでしたでしょうか。「FX自動売買(EA)ツールの3つのデメリットとは?検討前に気をつけるポイント!」と題して3つの大きなデメリットを元に気をつけるポイントを書いてきました。
この辺りに気をつけて、快適な自動売買生活をエンジョイしてみて下さい。
自動売買を上手に使う方法のまとめ
- FXの相場について基礎的な知識を増やし、トレードの変化を理解できる力を身につける
- 心理的に負荷のかからないロット運用
- ポジションを常に見ない
- 無料EAを使って初期コストを抑えて運用する
- バックテスト20年以上、フォワードテスト2,3年以上、月足の方向性が同様または経験済みのEAを選ぶ